がん保険と自由診療

がん保険の先進医療特約について


最近では、先進医療という言葉に聞きなじみがある方も多くなっていると思いますが、そもそも先進医療とは何でしょうか。先進医療とは、高度な医療技術を用いた治療のうち、厚生労働大臣から承認を受けたものを指しています。今回は、先進医療に関わる医療費や、具体的にどのような診療方法があるのかについて、詳しく見ていきたいと思います。


先進医療に関わる医療費について


まず、公的医療保険制度と先進医療との関わりについておさえておきましょう。

日本の公的医療保険制度では、原則として保険診療と自由診療(公的医療保険制度の対象となっていない診療)を同時に受けることはできません。治療において自由診療を受けた場合には、医療費は全額が自己負担となります。 しかし、例外的に保険診療との併用が認められる保険外併用療養費制度というものがあります。保険導入のための評価を行う「評価療養」と、保険導入を前提としない「選定療養」が、保険外併用療養費制度のもと、保険診療との併用が認められています。また、「患者申出療養」は保険外併用療養の一つであり、未承認薬や新しい医療技術について、患者からの申出に基づき審査が行われ、認められた場合には保険外併用療養として扱われます。(自由診療について詳しくは【がん保険の自由診療】に記載しています。)

そして、先進医療は「評価療養」に含まれます。ただし、先進医療は高度な技術を用いた治療方法となるため、治療を受けることができる医療機関も決まっており、どこでも自由に受けることができるわけではありません。
厚生労働省では、個々の先進医療について実施可能な医療機関の基準を定めており、その条件をクリアした医療機関でしか先進医療を受けることができない仕組みになっています。



・先進医療の技術数は72種類(令和8年5月1日時点)


先進医療の技術数は、令和8年5月1日時点で72種類です。これらは、未承認の医薬品や医療機器の使用、または医薬品もしくは医療機器の適応外使用を伴うかどうかなどの観点から先進医療Aと先進医療Bに分けられ、先進医療Aが28種類、先進医療Bが44種類となっています。

それぞれの先進医療の技術は、有効性や安全性などが確認され、公的医療保険制度の対象となった場合には、先進医療から除外されます。先進医療の技術から取り下げられたり、削除されたりする医療技術もあります。また、その逆に医療技術の進歩により、評価が必要な医療技術が出てきた場合は先進医療に加わることもあります。
そのため、先進医療の技術数や内容は一定ではありません。


・先進医療に係る費用は、全額自己負担?


厚生労働省によると、先進医療に係る費用については下記のように説明されています。

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先進医療を受けた時の費用は、次のように取り扱われ、患者は一般の保険診療の場合と比べて、「先進医療に係る費用」を多く負担することになります。

1.「先進医療に係る費用」は、患者が全額自己負担することになります。「先進医療に係る費用」は、医療の種類や病院によって異なります。
2.「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
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<医療費総額が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円だった場合>
先進医療に係る費用20万円は全額自己負担となります。通常の治療と共通する部分(保険給付分)は保険診療の医療費の自己負担割合が3割の場合、自己負担額は「80万円 × 3割 = 24万円」となります。したがって、医療費の自己負担額の合計は「20万円 + 24万円(保険診療) = 44万円」となります。

・先進医療に係る費用(技術料)ってどのくらいかかるの?


では、先進医療に係る費用(技術料)はどのくらいかかるのでしょうか?たとえば、がん治療における先進医療の例を見てみましょう。

先進医療技術ごとの費用・実施件数から見ると、中心となっているのは陽子線治療と重粒子線治療です。なかでも、重粒子線治療では1件あたりの先進医療費用が300万円を超えています。



がん保険における先進医療特約


前述のとおり、先進医療は技術料の全額が自己負担となる治療方法です。先ほど、重粒子線治療では1件あたりの先進医療費用が300万円を超えると紹介しましたが、そのようなときにがん保険の先進医療特約があれば少し安心できるのではないでしょうか。がん保険の先進医療特約があれば、責任開始日以後に診断確定されたがんについての治療を直接の目的とする先進医療による療養を受けたときに給付金を受け取ることができます。そのため、先進医療による自己負担分を軽減する方法の1つとして活用することができます。

まとめ

自分や家族ががんと診断された場合、少しでも助かる可能性を広げるため、先進医療を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合、先進医療は公的医療保険制度の対象とはならず、その技術料は全額自己負担となるため、通常の診察と比べて治療費が高額になることが想定されます。
いざというときに、経済的な事情で治療の選択肢を狭めなくて済むようにしたいものです。がん保険を選ぶ際には、基本的な給付金額はもちろんのこと、先進医療特約の付加についても検討してみてはいかがでしょうか。


※このページに掲載している社会保障制度に関する内容は2026年6月1日時点の制度に基づく内容です。今後の制度改正等によって、内容が変更される場合もあります。
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